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別府の考え(最終話) ~ シャンソンとは ~ その15 

 しばらく続けてきた「シャンソンとは」のシリーズですが、今回で一区切りをつけたいと思います。
 2日に1本のペースで、これを書き続けるのは、ちょっとくたびれます。
 ここ数回、そろそろ一区切りをつけたいと考えて、別府の言いたかったことをまとめに入ってからが、特に大変でした。
 筆が進まない(笑)
 気ままに書き進めるのではなくて、言いたいことをまとめるという作業の難しさはもちろんのこと、さらにここでは、シャンソン界の好ましくない現状について触れざるを得ないという気の重さもあったのです。

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 昭和の時代に銀座にあって、何人もの著名人が出入りし、数々のシャンソンスターを輩出していた日本初のシャンソン喫茶「銀巴里」が閉店し、その歴史の幕を下ろしたのが、1990年(平成2年)のことだそうです。
 それからいったい何軒のシャンソニエ(シャンソンのライブハウス)が閉店してきたことでしょうか。今でも、あ、シャンソンの記事だ!と思って読んでみたら、どこそこの老舗シャンソニエが閉店なんていう記事で、がっかりしたりします。
 シャンソンのライブに足を運ぶ人の数は確実に減っているのです。

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 そしてライブ・コンサート会場のお客様の年齢層の高さ…
 シャンソン界にいると、コンサートのご案内葉書を出すのに、名簿から年々、亡くなられた方のお名前が消えていき、葉書の数が減っていくといった悲しい話が、そこここで聞かれます。
 歌手が教室を持ち、コンサートの際には、その教室の生徒さんにチケットを買ってもらい、また生徒さんの知り合いの方にチケットを売っていただいて、集客する、さらに歌手(先生)が何人かで一緒にコンサートを行って、集客の規模を拡大する、他方で発表会など、生徒さん自身にも歌う機会を設ける、といった教室のシステムによって、シャンソン界のライブ・コンサート活動の大半が、なんとか支えられているというのが実情と言ってよいでしょう。
 そしてその生徒さんたちの年齢層もじりじりと高くなっていっています。

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 シャンソン界は、新しいファンを獲得する力をほとんど失ってしまっていると言わざるをえません。
 何かを変えなければならないのは明らかです。
 何も変わらなければ、シャンソン界は、このままゆっくりと沈んでいくでしょう。
 そして別府は、今その船に乗っているのです。
 変わるための努力をせずに、黙って乗っていたとしたら、それは緩慢な自殺を選んでいるのと一緒だと思います。

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 往年のスターたちが歌っていたシャンソン、すなわち「主に物語性を重視した人生を描いた歌詞や、聴く者に話しかけるような歌い方が特徴」のフランスの楽曲だけにこだわるのを止めるべきだと思います。
 様々な音楽が求められている時代の要請に応えられるように、フランスの現代大衆歌曲一般の中から、輝きを放っている、様々なジャンルの音楽を自在に選び取っていく柔軟さと積極性を身につけるべきだ、別府は心からそう思っています。
 そして様々な色合いの音楽とともに歌われることによって、往年の名曲もまた、その輝きを一層増すはずだと思うのです。

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 選び取ったシャンソンを、どのように歌えば、その魅力、その輝きを、人に伝えることが出来るのか…
 その方法は、無数に存在するでしょう。
 訳詞、アレンジ、歌唱、それぞれに無限のバリエーションがあるわけですから。
 その中で、別府は、「原曲のイメージを忠実に再現する」ということにこだわっています。自分が魅力的に感じたものを、人に伝える上で、1番自然な発想だと感じて、そうしているうちに、知らず知らずのうちに、こだわりがより一層深まってきたというところでしょうか。
 もっとも、ある日、突然、ひらめいたーとか言って、全然ちがうスタイルをとってるかもですが…(笑)

 別府には夢があります。
 TVに出たり、マスコミにしょっちゅう取り上げられたりするような、人気者になりたいという気持ちは、実はぜんぜんありません。向いてもいないと思いますし。
 ライブがやりたいのです。
 北から南まで、日本全国各都道府県の街で。

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 日本は素敵な国で、どこに行っても立派なホールがあります。
 それぞれの街のホール、それもキャパ300席くらいの小ホール!
 そこに、まあ客席が寂しくないくらいのお客様が集まってくださって、ライブが始まるのです。
 「こんばんは。今年も寄せていただきました。」


 
 いつも応援をいただきましてありがとうございます。

 別府葉子フェイスブックページも開設しております。よろしくお願いいたします。

 本日の1曲は「バラ色の人生」です。

 
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この記事に対するコメント

シャンソン♪

こんにちは♪

ひとまずおつかれさまで御座います。
ここには世の全てに通じるメッセージが込められておりましたね。みんなで、そしてボクも皆様と一緒に考えていくのがいいですね^^答えは「Liveやりたい」が一番いいなぁ(正誤はない、の意味で)って、ボクもそう感じました♪

Ryoji Suzuki(^o^)♪

また

Ryoji Suzuki #KfnoxFWI | URL | 2014/04/11 10:05 * edit *

文化の伝達~♪

 長唄の楽譜を見せて頂き言葉で記すに驚いた記憶を思い出したシャンソンのご説明…文化をちゃんと受け止めて薫りを伝えながら新しい風を送り込む…心地好いの土台…大切なものです♪

ひでわく #oyUv4a/. | URL | 2014/04/11 10:59 * edit *

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# |  | 2014/04/11 11:07 * edit *

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# |  | 2014/04/11 15:21 * edit *

ご健闘をお祈りします。

 力作でした。プリントアウトして精読しようと思っています。現在の「フランス現代大衆歌曲」のジャンル別特性に無知なので、具体的イメージを勉強する必要があると思います。別府さんのアイデンティティーと言うか、核となる部分、正に、アーチストとしての強い個性の確立に大いに期待しています。ご健闘をお祈りします。

感動人 #CRSHTEAU | URL | 2014/04/11 16:46 * edit *

温故知新

別府さん、こんばんは。

ジャズも同じような感じですね、まったく。 
ジャズに係わる、ライブやイヴェントの状況は年寄りばかり(苦笑)、若手が欲しい~(笑) 

ジャズにも色々あるんですよーこれが・・
僕は古いものが好きです。 それは、そのスタイルが好きだからなのです。 僕はジャズに新しいものは望んでいません。
ご存知と思いますが、ジャズも大きく分けるとデキシー、スウィング、モダン、フリー、などがあり、其々のファンがいます。 僕は生きてきた時代と好みからモダンジャズといわれるものを主に好んで聴いていますが、モダンジャズなどといいますが、50年代の音楽ですからね(笑) まだロックは生まれていません。60年代になってから、この大衆音楽の多様化が凄い勢いで枝分かれしていくのですね。 
 大衆音楽ってそんなものなのです。時代と共に変わるのです。
色々言うと、複雑ですが、ロックやソウルもジャズやカントリーやブルースから派生してきたと思います。
そのモダンジャズなるものも、フランスの当時のシャンソン(50年代)や文化(映画なども含む)の影響は大いに受けていると思います。 マイルスなんかの有名な曲は技法とは別にヨーロッパへの憧れを感じます。
勿論、シャンソンもアメリカ音楽(ジャズ)の影響を受けていると思います。


まーそれはさて置き、シャンソンです、その定義でこれまできたわけですからね。
僕の思いですが、『この唄を伝えたい』の想いを大事にされている別府さんですから
別府さんが、思われるシャンソンをつらぬいたら、良いのではないでしょうか?応援しています。 ブログの縁です(笑)
鹿児島に来たときは必ず聴きにいきます。 
出来れば小さな箱が良いです(ごめんなさい)

MINGUS54 #- | URL | 2014/04/11 20:01 * edit *

ブログリンク

いつも、素敵な歌声を聞かせて
いただいております。
アッシのブログ
MITSUの旅に
リンクさせていただきました。
一方的なブログリンクですが
今後ともよろしくお願いします。

MITSU #- | URL | 2014/04/11 20:28 * edit *

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# |  | 2014/04/11 21:57 * edit *

勉強になりました

いつもブログを楽しく拝見しています。
シャンソンって日本人歌手が歌っていたのがそのままのシャンソンって思っていましたが違うんだとこのブログで知りました。。
いろいろ勉強になりました。ありがとうございます。
熊本で別府さんのシャンソンが聞ける機会があれば是非聴きに行きたいです。

BB #- | URL | 2014/04/11 22:00 * edit *

Bon Voyage

こんばんは

Bon Voyage
シャンソンのタイトルにもありますが
別府さんの夢に向かって
よい旅ができるよう
祈っています

まっとし #G3xv5MFg | URL | 2014/04/11 23:40 * edit *

葉子さんの「シャンソン考」

 貴女の「シャンソン論」の講義はおっしゃるような形通りの日本におけるシャンソンへの考え方しかもってなかった自分の意識を根底から覆す考え方を教えていただき、嬉しい「驚き」を感じております。
 文学も音楽もこの自分の世界から「違う意識や理解の仕方」に「驚き」を感じるとことで、いくつになっても「眼が覚める」「違った世界が開ける」意識を感じます。
ありがとうございました。

 自分は若い時からクラっシック専門でしたが、帰郷後こちらの大学の生涯学習講座で「オペラの鑑賞」講座とめぐりあい、10年以上も毎週先生の講義の下に、大画面で「オペラ」を楽しんでいます。

 貴女の「ラ・ヴィ・アン・ローズ」を聴きました。
遥か昔、「麗しのサブリナ」でオードリー・ヘップバーンとハンフリー・ボガードとウイリアム・ホールデンの主演映画の挿入歌でスローテンポで流れたこの歌が強烈な印象として耳に残っているだけに、アップ・テンポの貴女の歌を聞いたときは、このような編曲もあるのだなと感心しました。

 いつも拙い小生のブログを覗いていただき、ありがとうbございます。

本○どん #- | URL | 2014/04/12 01:54 * edit *

別府氏が思うとおりのシャンソンを続けていくことが大切です。

 多くの分野が抱える命題ですね。結局、自分が思うとおりの事を雑音に振り回されず続けていく事が大切になって行きます。

 たしかに、興行(または興業)のみを考えると、顧客の年齢層が高くなっていくことは尻すぼみであり近い将来の絶滅を意味しますが、どうなんでしょうね? 

 たとえ日本のシャンソンが途絶えても、本家がしっかりしていたら再び日本に芽吹くでしょう。ジャズ然り、クラシック然り、民謡然り、島唄然りです。
 一度途絶えても形を変えてブームになると思いますよ。

 それより深刻なのは、日本の音楽がすっかり西洋の十二音階によって洗脳され、日本古来の音楽は殆ど絶滅状態にある事ではないでしょうか。学校で習う音楽は基本西洋音楽です。

 語弊を恐れずに敢えて言うなら、日本人の殆どが西洋の音感に毒されてしまっています。そのため日本古来からある民謡もすでに十二音階の枠にはめられています。古来よりの痕跡が残っているのは能楽や狂言などの伝統芸能や雅楽、それから国歌「君が代」のラストの一小節くらいです。
 絶滅危惧種状態の日本の民族音楽に比べれば、シャンソンなんて世界中に愛好者がいるから楽観してよいと思います。杞憂ですよ。


 一時的に流行らせようと思ったら、歌唱力のあるローティーン美少女に大人が歌うような歌詞のシャンソンを歌わせてマスコミデビューさせるのが手っ取り早い。
 しかし、そんな姑息な常套手段は使いたくないでしょう。

 映画でもいえます。80年代は邦画暗黒時代でした。興行成績はハリウッド映画に上位を独占され続けていました。健闘していたのは日本製アニメでした。
 潮目が変わってきたのは2000年代に入ってからです。今や邦画が上位を占めるようになりましたが、しかしそれは売り方を変えただけの話です。
 2000年あたりを境に、古くからある街の映画館が経営難で閉鎖されていき、新たにショッピングモールと併設させた郊外型のシネコンが急増していきます。
 売り方が変わっただけで、映画の質に劇的な変化があるとは思えません。相変わらずミニシアターは経営難ですし、売筋映画はクレームを警戒して以前より面白くなくなった感があります。

 日本のシャンソン業界のことを憂いたところで、私はあまり意味を感じません。大事なのは、別府氏の思うとおりに公演を楽しく継続させる、その一点だけです。
 

晴雨堂ミカエル #- | URL | 2014/04/12 09:43 * edit *

NoTitle

私が別府さんのアムステルダムを聞いて、いいなあと思った。私がそれに共感を覚えたのは私自身の歴史背景に共鳴したからだと思うんですが、私にとって別府さんの数々の歌はそれを引き起こしてくれる。
これを感動というのでしょうが、それだけでも素晴らしい。

VRAI #6GgKOieI | URL | 2014/04/13 10:13 * edit *

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