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別府の考え ~ シャンソンとは ~ その3 

 前回記事の続きです。
 今日は「シャンソンはフランスの演歌である」といった考え方は、間違いであるにも係わらず、そのような考え方が、一般に流布するようになってしまった理由を説明します。

 別府は、それには2つの理由があると考えています。

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 1つ目の理由は、実際に、かつて日本において「シャンソン」として紹介され、広く知られるようになった曲のうち、多くの曲には、実は演歌と類似する点があったのだ!という事実です。
 シャンソンが、ポップス、ロック、ジャズ、ラテン、ブルース、民謡といった幅広いジャンルを含んだ音楽であることは、繰り返し指摘してきたとおりです。
 でも日本において、これら様々なジャンルのシャンソンが、等しく万遍なく紹介されてきたわけではありません。むしろ日本では、ほんの一部だけが紹介されていたというべきでしょう。

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 かつて日本において、シャンソンが、今よりもずっとメジャーであった時代がありました。
 人気のある著名なシャンソン歌手が、次々にヒット曲を飛ばした時代です。

 ただこの時代に日本で「シャンソン」と呼ばれて歌われていた曲には、実は、一定の傾向がありました。
 比較的ゆっくりとしたテンポのリズムの曲や、バラード風の曲調に乗せて、主として大人の恋愛といったものがテーマとされていたという共通項です。
 このような傾向をもった曲が、このころ「シャンソン」として日本に紹介されたのは、これらの曲が実際にフランスで流行したということが、まず、あったわけですが、同時に、何らかの理由(例えば、これらが日本人に受け入れやすいと判断されたといったような)によって、意図的に選択されて輸入されたという側面もあったと思います。
 大人の男女の情愛、別れの情景…
 はい。このようなテーマを歌った、これらの楽曲は、歌詞の内容という視点からみれば、男女間の情感や情念といったものを主要なテーマとしていた日本の演歌と類似する側面を確かに持っています。

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 そして、これらの「シャンソン」の多くに付けられた日本語詞は、もともとの原曲のフランス語の歌詞の内容とは、いささか(時には大きく)異なって、濃いめの情感たっぷりな情景が描かれています。
 例えば、10代の男の子の、少々可愛らしい恋のエピソードを歌った“Sans Toi M'amie”(19歳のアダモが歌った曲!)が、自分を捨てた恋人を思い続ける女心を切々と歌う「サントワマミー」になったように、です。

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 このような傾向は、演歌と「シャンソン(あの頃、日本に輸入された一群のシャンソンという意味です)」との歌詞内容の文化的な類似性をより強調する結果になったと思います。

 他方で、同時代に日本に輸入されてきた、別の一群のシャンソン、シルヴィ・ヴァルタンや、フランス・ギャル、ヴィッキーといった、フランスでヒットした若いアイドルたちの歌った「あなたのとりこ」「夢見るシャンソン人形」「恋はみずいろ」といった一連の楽曲は、日本においては「フレンチポップス」という、「シャンソン」とは別のジャンル名を付けられて売り出されています。

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 このことが、フランスには、アイドルたちが歌う「ポップス」というジャンルと、それとは別に、大人の恋愛を歌った「シャンソン」というジャンルが存在するのだという誤解を世間一般に生んでしまったようです。

 アイドルたちが歌っていた曲もまた間違いなくシャンソンでしたし、他方で「愛の讃歌」や「バラ色の人生」といったシャンソンが、フランスのポピュラーソング(すなわちフレンチポップス)であったことも間違いない事実であったにもかかわらず、両者は、それぞれ「フレンチポップス」と「シャンソン」という別々のジャンルに属しているのだという誤解が生まれ、その誤解の延長線上に「シャンソンはフランスの演歌だ」という新たな誤解が生まれていったわけです。

 さてと…
 「シャンソンはフランスの演歌である」という考え方が、一般に流布するようになってしまった、2つめの理由ですが…
 それは、また次回です!

 (つづく)


 
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 本日の1曲は「夢見るシャンソン人形」です。

 

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この記事に対するコメント

葉子さま♪

ふむふむ!

二つ目の理由が何なのかは、全く予想できませんが、、、

パーの画像が謎を解く鍵♪ですか?

Gin #- | URL | 2014/03/05 23:11 * edit *

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# |  | 2014/03/06 00:21 * edit *

夢見るAVオヤジ

観音庵です。
葉子さんのブログ、何時も楽しく拝見、拝聴しています。今日、訪ねてみたら、何と「夢見るシャンソン人形」がアップされてるじゃないですか。リアルタイムでフランス・ギャルをラジオやドーナツ盤で聴いた世代としては、夢見心地で聴き、喜んで初書き込みした次第です。これからもご活躍を。
深謝

観音庵 #- | URL | 2014/03/06 09:42 * edit *

NoTitle

こんばんは~♪
お話よくわかります。
イタリアのカンツォーネも同じような誤解が日本ではありますよね^^
何でもかんでもジャンル分けしたがる日本の音楽業界も問題ありじゃないでしょうか。

まり姫 #8m8hig/. | URL | 2014/03/06 19:15 * edit *

Re: Gin さんへ

「パーの画像」ってなに?ってキョトンとしてました。

グー、チョキときて、ですか!

爆笑です。座布団をどうぞ。

別府葉子 #- | URL | 2014/03/08 16:21 * edit *

Re: 鍵コメ さんへ

こんにちは。

あらまま、幅広いジャンルの音楽に通じておられるようですね。

ボサノバ、演歌説、民族の文化の中に、特定の音楽をどのように位置づけるのか、その基準が興味深いところかと…

コメントありがとうございました。

別府葉子 #- | URL | 2014/03/08 16:32 * edit *

Re: 観音庵 さんへ

こんにちは。

なんだかお久しぶりです。

ブログは拝見していますが、古くから交流のある方からのコメントは、なんか懐かしいみたいな気分で、嬉しいです。

また聴いてやってくださいね。

別府葉子 #- | URL | 2014/03/08 16:38 * edit *

Re: まり姫 さんへ

こんにちは。

当社では、何々というジャンル名は、これこれの意味で使用しております、なんて表示されるようになったりして。

でも、ときに、ホントに説明して欲しいぞと思うような、ジャンルもあったりしますよね。

別府葉子 #- | URL | 2014/03/08 16:41 * edit *

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