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「焼き場に立つ少年」 

 ご心配をおかけしております風邪の方は、なかなかすっきりしてくれませんが、確実に回復しつつあります。
 お見舞いコメント本当にありがとうございます。

 本日は、風邪で何だかすっきりしない頭のまま、眺めていたのに、泣いてしまった本のお話なぞ…
 この写真ですが、ご存じだという方もいらっしゃるかと思います。

 DSC_2283.jpg

 別府も見たことがありました。
 最初に見たのは、もう数年前のことでしたが、最初から、とても強い印象が残った写真でした。

 人の心に強く働きかけてくる写真には、何か尋常でないものが写っています。
 まだあどけなさの残る少年が、帯を巻いて幼子を背中にしょっています。現在の日本では日常で見かけることのない光景です。
 しかも少年は裸足…
 幼子は目を閉じたまま眠っているようにも見えますが、不自然なほどにのけぞった頭部や、力なく垂れ下がった手足に不吉の影が宿ります。
 いがぐり頭に、直立不動の姿勢をとった少年は、その幼さにもかかわらず、軍人のように見えてしまいます。
 そして何より、少年の固く引き結んだ唇に象徴されている、その佇まい全体が、撮影者を拒み、寄せ付けない何かを感じさせています。
 異様とも言える写真だと思います。

 にもかかわらず、この写真の中には、まるで DNA に組み込まれているかのように、私たちの魂に深い共感を呼び覚ませる何かが存在しているのです。
 それは自分より弱い者を守り慈しむ心であったり、苦難の中でも失われない規律正しさであったり、不器用なまでの素朴さであったり、強靭なまでの意思の在り様であったり、肉親に対する底知れぬ愛情であったりします。

 「焼き場に立つ少年」と題された、この1枚の写真は、第二次大戦の終戦直後、アメリカ海兵隊のカメラマン、ジョー・オダネル氏によって、長崎で撮影されたとされています。
 オダネル氏は、終戦直後に日本に上陸し、その任務のかたわら、個人的に撮影した多くのフィルムを、帰国後43年間も、現像することもなく封印していたそうです。原爆投下直後の長崎で見た光景のむごたらしさを、2度と思い出したくない記憶として、記憶の底に封じ込めるために…
 「焼き場に立つ少年」は、オダネル氏が43年後に自らの意思で発表した作品たちに含まれていた1枚だったそうです。

 DSC_2268.jpg

 別府の読んだ本「『焼き場に立つ少年』は何処へ」は、この1枚の写真が、いつ、どこで撮られたものかを追い求めた調査の記録です。
 そして、事実を求める行程は、この写真が撮られたことの意味を考える旅となっていることが感じられます。
 どんなときであっても、常に平和を希求する側にありたいと願わずにはいられません。

 この写真を取り上げた過去のTV番組の紹介記事があったので、興味のある方は、どうぞ。


 
 いつも応援をいただきましてありがとうございます。

 別府葉子フェイスブックページ、開設いたしました。よろしくお願いいたします。

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 12月14日の大阪ライブ、ローソンにて前売券発売中です。
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この記事に対するコメント

初めまして。なんだか考えさせられる写真ですね。
このころからすると、遥かに物質的に豊かになった日本ですが
この頃にはあった何かが、今足りなくなってるように感じるのは
単に昔を懐かしむノスタルジックな想いだけからでしょうか・・。

yoyo #- | URL | 2013/11/26 04:42 * edit *

ありがとうございました

感謝します。
日本人が失ったもの・・・あらためて気付かされました。
紹介記事に涙しました。
敗戦は物的なものの数倍の精神と心を奪い去ったのですね。

さだまさし…祈り・・・を練習しています。
長崎の被ばくに、平和を誓う歌です。
重なってきますが、この写真に歌以上のインパクトを与えられました。
そして・・・野坂昭如さんの【蛍の墓】も。

草笛 #- | URL | 2013/11/26 09:42 * edit *

はじめまして^^

 いつも訪問ありがとうございますm(__)m
私のブログは方向性も無い、ただ日常だったり私の中にあるエッチな厭らしい部分が出てたり、変なブログですがよかったら暇なときに覗いてみた下さいね^^;

 戦争って誰も得をしない悲劇や悲しみを残すものですね><
いろいろな映画や写真。本・体験談・など涙が出てくるものばかりです。

 私は小さい時よく変な夢を見ました、誰かに追いかけられ周りは火の海だったり軍服を着た人に追いかけられて隠れていたりする夢です、何度も観ました><
 私の前世はそういう子供だったのかな?と今になって思います。

 これからもお邪魔しますので宜しくお願いしますm(__)m

しも #Xnq8k9Uo | URL | 2013/11/26 10:48 * edit *

こんにちは!

いつも訪問有り難うございます。
いつも読み逃げで、すみません。

この写真は、今まで何度か目にしています。
背負った妹は、すでに、亡くなっていますね。
でも、少年の、表情と直立姿勢から、
凛としたものを感じますね。
小さいながら、日本の軍人、武士を感じます。
少年は、妹の、最後を見届けに来たのでしょうか?
魂に訴えかける、写真ですね。
見る人は、心が震えます。

梅サクラ #zwRScLrQ | URL | 2013/11/26 16:55 * edit *

別府さんこんにちは~♪
日本にとって今現在最も必要な平和希求について改めて考えさせられました。
思想・信条に関係なく二度とこのような惨禍にみまわれない覚悟が必要だと思います。
日本人は歴史に学ぶ姿勢を忘れがちです。
別府さんは日本のエディット・ピアフにぜひなってください(*^^)

まり姫 #8m8hig/. | URL | 2013/11/26 17:10 * edit *

報道写真家 ジョー・オダネル

「幸せのカタチ」が以前 Facebookに掲載したのを再アップします。

目撃者の眼  
報道写真家 ジョー・オダネル

1999年76歳になる
ジョー・オダネル氏は、アメリカ軍の報道写真家として第2次世界大戦後の日本を撮った。

佐世保から長崎に入った私は、小高い丘の上から下を眺めていました。

すると白いマスクをかけた男達が目に入りました。

男達は60センチ程の深さにえぐった穴のそばで作業をしていました。

荷車に山積みにした死体を石灰の燃える穴の中に次々と入れていたのです。

10歳ぐらいの少年が歩いてくるのが目に留まりました。

おんぶひもをたすきにかけて、幼子を背中に背負っています。

弟や妹をおんぶしたまま、広っぱで遊んでいる子供の姿は当時の日本でよく目にする光景でした。

しかし、この少年の様子ははっきりと違っています。

重大な目的を持ってこの焼き場にやってきたという強い意志が感じられました。

しかも裸足です。

少年は焼き場のふちまで来ると、硬い表情で目を凝らして立ち尽くしています。

背中の赤ん坊はぐっすり眠っているのか、首を後ろにのけぞらせたままです。

少年は焼き場のふちに、5分か10分も立っていたでしょうか。

白いマスクの男達がおもむろに近づき、ゆっくりとおんぶひもを解き始めました。

この時私は、背中の幼子が既に死んでいる事に初めて気付いたのです。

男達は幼子の手と足を持つとゆっくりと葬るように、焼き場の熱い灰の上に横たえました。

まず幼い肉体が火に溶けるジューという音がしました。

それからまばゆい程の炎がさっと舞い立ちました。

真っ赤な夕日のような炎は、直立不動の少年のまだあどけない頬を赤く照らしました。

その時です、炎を食い入るように見つめる少年の唇に血がにじんでいるのに気が付いたのは。

少年があまりきつく噛み締めている為、唇の血は流れる事もなく、ただ少年の下唇に赤くにじんでいました。

夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま焼き場を去っていきました。

(インタビュー・上田勢子)

[朝日新聞創刊120周年記念写真展より抜粋]

ame3 #kbHtV/os | URL | 2013/11/26 20:34 * edit *

原爆の運動をしています。国会に陳情に行ったり、厚労省にいったり、、、前に進みませんが、続けて行きたいのです。輪するれことのできないこと写真。毎年、平和展でもこのパネル張り出します。平和になって欲しい。

ノーベル賞コウホケンメイゴンサンー #- | URL | 2013/11/26 20:44 * edit *

平和のありがたさを痛感しています

初めまして、よろしくお願いします。

体調が悪い中私どものブログにご訪問ありがとうございます。


自分の決めた道まっしぐらですね。そのエネルギー分けていただきたいです。また訪問します。

こども文化将棋教室 柴山芳之 #- | URL | 2013/11/26 20:56 * edit *

はじめまして

いつもありがとうございます。

この写真は見るたびに泣けてしまいます。
私は被爆二世になるようです。
母は入市被爆者ですので厳密にいうとちょっと違うと思ってます。
(母が申請した当時は直接被爆と入市被爆は明確に分けられていましたので)
叔母が15才の時長崎の三菱重工で被爆。直後母は叔母を捜しに行きました。
その時被爆写真でよく知られている谷口さんの悲惨な姿も目撃したそうで、
救護所や焼け野原になった当時の話をよく聞かされておりました。
こんな悲しい事が二度と起こらないように願ってやみません。

ご活躍をお祈りいたします。

みつこ #mQop/nM. | URL | 2013/11/27 11:37 * edit *

>それは自分より弱い者を守り慈しむ心であったり、苦難の中でも失われない規律正しさであったり、不器用なまでの素朴さであったり、強靭なまでの意思の在り様であったり、肉親に対する底知れぬ愛情であったりします。

あらためて人間は素晴らしい、そして強いなあと感じます。この1枚の写真がそれを語ってますね。

いつも何度でも、拝聴させていただきました。
動画も素晴らしかったですが音楽は魂の表現の1つだとあらためて感じました。

最後になりましたが初めまして。

甲辰 #- | URL | 2013/11/27 11:49 * edit *

忘れないために…

 悲惨な出来事を起こしてしまった…同じ事を起こさない為に…時代の重たい一瞬…そのために存在する一枚なんだと…よいお話をありがとう御座いました♪

 広島と長崎に福島…忘れてはいけない出来事です♪

ひでわく #oyUv4a/. | URL | 2013/11/27 14:37 * edit *

こんばんは。

非常に強く私の心を揺さぶり、自らに問わずにはいられない1枚です。
喝が入りました。


1日も早く回復されるよう祈っています。
ご自愛下さい。

アッシュ #- | URL | 2013/11/27 20:02 * edit *

「火垂るの墓」の少年清太と妹の節子を思い出します。
すごい写真ですね。

そういえば「火垂るの墓」作者野坂昭如、シャンソン歌手を目指していたそうです。
彼がどこかのコンサートで中山千夏と歌った黒の舟歌、上手かったです。
そのとき限り、一度しか聞いていないのですが、今でも鮮明に覚えています。
中山千夏のオブリガードも良かった。
シャンソンと言うのは人間を見つめなきゃ、歌えないのかな・・・

すごい写真をありがとうございました。

VRAI #6GgKOieI | URL | 2013/11/28 00:06 * edit *

ご無沙汰しています。
ちょうどこの少年と同じ年頃の時、毎朝末の妹を背負って子守のため1時間ほどの道のりを歩いていました。
初め写真を見たとき、あ、私と同じだなと思ったのですが、記事を読んで衝撃でした。
私は終戦の年に小学校入学でしたので、この少年と同じ年になるまでは数年経っており
世の中は安定し始めていましたが、貧しい家庭だったために育ち盛りの私はいつも空腹で
栄養不足のためにやせ細り近所の悪ガキには「キュウリ」とあだ名をつけられていました。
写真を見ながら、戦中、戦後のさまざまなことを思い出します。
それらのことを体験していない政治家たちが国の将来を危うくしている気がしてならない昨今です。

はせがわ #TSB56Rmw | URL | 2013/11/28 02:52 * edit *

すごいですね。

この写真、すごいですね。
少年の表情には強烈な克己心を感じます。
と、同時にこの国の文化や伝統が如何に強固なものかを物語っています。

ヘタリカ #- | URL | 2013/11/29 22:34 * edit *

Re: yoyo さんへ

何が変わって、何が変わっていないのか、変わるべきもの、残るべきものが何なのか…

言葉にすると議論になってしまうかもしれません。

でもこの写真に、直観として、なにか大切なものがあるように感じるという思いは多くの人が共有できるように思います。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 16:41 * edit *

Re: 草笛 さんへ

見つめていると、いろいろな思いがこみあげてくるよう写真ですよね。

思いの内容は1人1人違っていると思いますが、それらの思いが平和への願いとつながっていけばいいなと思います。

長崎、広島が、繰り返し創作のテーマになるのは、そういう思いからなんでしょうね。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 16:52 * edit *

Re: しも さんへ

こんにちは。

別府も、子供のころから、よく見る夢があって、まあ一言でいうと、背景が日本ではないんですね。

すごくリアルな夢だし、もしかすると前世とか、そういうことと関係があるのかなーなんて考えてしまいますよね。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 17:01 * edit *

Re: 梅サクラ さんへ

こんにちは。

コメントありがとうございました。

この写真から何を感じとり、そこにどんな意味をもたせるのかは、人それぞれだろうなと思いますが、とにかく人の心に訴えかける強烈な力をもった作品ですよね。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 17:11 * edit *

Re: まり姫 さんへ

こんにちは。

はい。平和は、思想や信条を超えた願いだと思います。

日本のピアフかぁ、ちょっとうっとり(笑)

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 17:34 * edit *

Re: ame3 さんへ

コメントありがとうございました。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 17:37 * edit *

Re: ノーベル賞コウホケンメイゴンサンー さんへ

コメントありがとうございました。

平和への願いは絶えることがなく、平和への訴えは、やむことがなく繰り返されるべきだと思います。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 17:40 * edit *

Re: こども文化将棋教室 柴山芳之 さんへ

こんばんは。

コメントありがとうございました。

進みたい道を行く、誰もがそうだと思います。

別府にエネルギーを感じていただけるなら、どうぞ!

別府葉子 #- | URL | 2014/01/05 23:52 * edit *

Re: みつこ さんへ

こんばんは。

コメントありがとうございました。

友人夫妻が、親世代の原爆症認定のための活動にかかわっていると知ったときと同じです。みつこさんのように、直接に、被爆された親をお持ちの方の存在は、原爆や戦争が、なんと身近に存在することかとショックを受けます。

きっと、そのショックを忘れずに生きようと思います。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/06 00:04 * edit *

Re: 甲辰 さんへ

こんばんは。

別府の「いつも何度でも」聴いて下さったこと、何かを感じて下さったこと、ありがとうございました。

言葉はとても不完全なもので、言葉では伝えきれないものを、音楽が表現してくれることがあると感じる瞬間があります。

今後ともよろしくお願いいたします。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/06 00:10 * edit *

Re: ひでわく さんへ

1枚の作品が生まれ、それがやがて何かの意味を持ち始めること、運命と呼ぶべきかもしれませんね。

コメントありがとうございました。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/06 00:15 * edit *

Re: アッシュ さんへ

こんにちは。

ホント、人の心に訴えかける力をもった作品ですね。

お見舞いありがとうございました。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/18 15:34 * edit *

Re: VRAI さんへ

こんにちは。

歌というのは表現ですから、何を表現したいのか、という点で、やむに已まれぬ強い思いを抱いた人間の表現というものが、歌の巧拙を超えて、強い力を持つということがあると思います。

表現者が持つべき姿勢なのだろうなと思っています。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/18 15:38 * edit *

Re: はせがわ さんへ

こんにちは。

1枚の写真が、人の心に与える影響には、その人その人で、いろいろな思いがあるのですね。

この写真に、かつての自分の姿を重ねるという感想には、ハッとするものがありました。

確かに、この写真の中の世界は、今の私たちと隣り合わせの世界であり、これから起きる世界なのかもしれません。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/18 15:47 * edit *

Re: ヘタリカ さんへ

こんにちは。

極限の状況の中で、1人の人間の背負っているものが、おのずと現われるということなのかもしれませんね。

別府葉子 #- | URL | 2014/01/18 15:50 * edit *

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