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ジャリーヴ 

 シャンソンという歌のジャンルは、歌う側も聴く側も、比較的、年配の方が多いみたいです。
 そのせいかどうか分かりませんが、ときどき「この歌はもっと歳をとってからでないと歌えないわよ」とか、「まだ若いから歌に深みが足りないわね」といったことを言われることがあります。
 「いや、別にもう若くもないんですけど…」なんて思うわけですが、どのみち、どう答えていいか分からないようなお話なので、そんなときは「はあ」なんて気の抜けた返事をしているわけですが…

 歳をとることで歌が上手くなる…
 そんなことあるかなぁ…

    MC900434411.jpg

 でも歳月を経ることで、若いときには理解できなかったものを、直感で感じ取ることが出来るようになることはあります。

 夭折した天才、ジャック・ブレルの作品に "J'arrive" 「孤独への道」という曲があります。

 Jarrivealbum.jpg

 若い頃、別府には、この曲は、ちっとも良いと思えませんでした。
 そもそも歌詞の意味が分からなかったのです。

 訳しづらい歌詞なのですよ。
 「菊の花から菊の花へ」といった意味の歌詞で始まって、何となく死をイメージさせる暗い曲で、どうも馴染めないなぁ、といった感想だったのですが…

 MP900422098.jpg

 これまで見送ってきた、何人もの友人や、知人のことが、しきりと思いだされる。
 そして今、思うことは…
 「なぜ俺なんだ?」「なぜ今なんだ?」
 「俺にはまだやりたいことがある」「やるべきことが残っている」
 そうか、旅立っていった人たちも、こんなふうに感じていたのか…

 そんな状況なのではと気づいてから、調べてみて分かったのですが、ブレルは、この曲を作った頃、自らの身体が肺がんに侵されていたことを知っていたようです。
 ブレル、魂の絶唱だったのです。

 今は、それをリアルに感じ取ることができます。

 曲名になっている "J'arrive" の意味は「いま行くよ」「すぐ行くよ」ほどの意味です。
 そう、既に逝ってしまっている人たちに語りかけているのですね。

 ブレルの絶唱を聴いてみたいという方は、こちらへどうぞ。

 MP900407548-(3).jpg

 この曲は、まだステージで歌っていないので、曲が違ってて申し訳ないですけど、同じジャック・ブレルの曲から別府の歌う「アムステルダム」です。
 生々しい生の断面をナイフでえぐりとったような、この曲「アムステルダム」の延長線上に、"J'arrive" がある、つまり死は、形を変えた生の延長なんだ、そんな風に、別府は捉えたいのです。

 


 
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この記事に対するコメント

NoTitle

こんばんは。
日本ではシャンソンの良さがわかることは
大人になるってことなのでしょうか。
私がシャンソンも好きと人に伝えると
別の角度から見直されることがあります。
品を感じてくれるのかも知れません。

あかちん #- | URL | 2012/12/15 19:03 * edit *

Re: あかちん さんへ

あかちんさんは、ブログ記事の文章からも、とても知性を感じさせる方ですから、「シャンソン好き」と聞かされて、意外というより、ホントに興味の幅が広いんですねーと感心されているのでは、無いでしょうかね…



別府葉子 #- | URL | 2013/01/02 19:56 * edit *

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