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ブラボー 

 私はほかの人のコンサートに行くのが大好き。
 この連休のかかりにも行ってきました。クラシックのピアノ・リサイタルです。
 音楽の専門教育を受けていない私にとってクラシックはちと馴染みの薄いジャンルなのですが、このコンサートを紹介してくださった方があったので西宮まで遠征してきました。
 そしてそこで私は忘れられない素敵な一夜に出会ったのです。

 プログラムはベートーヴェンのピアノソナタ「月光」から始まりました。とても優しいのに、色合いや形がとてもクリアに感じられるような音の響き。静かな湖の広い広い水面に1つ、また1つと小さな波紋が広がり、さざなみがぶつかり合いながら、どこまでも広がっていくよう。
 やわらかな光の中に包み込まれているような心地よさを覚えながら、そのときにはまだ「クラシックの知識がたくさんあれば、もっと楽しめるのかなぁ」なんて考えてた。

 休憩を挟んだ第2部は司会の方との掛け合いによる演奏者のトークで始まりました。
 司会者の軽妙な喋りにのせられたような愉快なトークで会場の雰囲気はとてもフレンドリーなものとなります(あれは会場全体の空気をなじませる巧みな演出だったなーと後で感心)。
 そしてその後始まった第2部の演奏が圧巻。ハートをぶち抜かれてしまいました。
 演目はシューマンのピアノ曲集「謝肉祭」。
 目まぐるしく代わる回り舞台のように、次々と代わる拍子とリズム、激情と静寂、音の奔流。眩しい光が散りばめられた音の洪水がステージからあふれ出てくるよう。音と光と振動が、目から、耳から、肌から私の中に飛び込んできては、そのまま身体の中を官能的な陶酔が突き抜けていく。ただただ息をつめて見守っているだけでした。
 そしてクライマックスから終焉へ。拍手、拍手、拍手。
 隣で私の連れは「ブラボー」と叫んでいる(その通りや。えらい、よく言った)。

 ピアニストのお名前は吉川隆弘さん
 現在イタリア・ミラノを拠点にヨーロッパ・日本などで演奏活動されていて、ミラノ・スカラ座でも活躍されている新進気鋭の若手ピアニストです。
 ご本人のワールドクラスの才能が眩く感じられる一方で、このコンサートを支えている方々の手の温もりを感じさせるほのぼの感もまた随所に感じられるという誠に稀有にして極上のコンサート、貴重な体験でした。

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 もう1度書きます。お名前は吉川隆弘さん。きっと日本中の方々が、このお名前を耳にするようになると思います。
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