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「リリーマルレーン」 2011.10.30 旧善通寺偕行社にて収録 

 今日は「リリーマルレーン」という曲のお話です。
 この曲のもとになった詩は、20世紀の初頭、第1次世界大戦の頃にドイツでつくられ、その後、第2次世界大戦の直前に、その詩をもとに曲が付けられ、楽曲「リリーマルレーン」がつくられたと言われています。
 ドイツ生まれのこの歌は、第2次大戦中、独軍兵士の間に大流行したのみならず、敵方の連合軍兵士にも愛され、敵味方を超えて戦場の兵士たちに口ずさまれた愛唱歌として、今に語り継がれています。

 そして、この歌はマレーネ・ディートリッヒが歌った曲としても有名ですね。
 ドイツ出身の女優・歌手でありながら、アメリカに渡り、第2次大戦中は前線の連合軍の兵士の慰問活動を行っていたため、戦後もドイツからは裏切り者として扱われるなどといった数奇な運命を辿った大女優です。

 ところで、この「リリーマルレーン」という曲、しばしば「娼婦と兵士の哀しい物語」というふうに解説されているのですが、この解釈は、別府には、どうもピンときません。
 たしかに原曲の歌詞の中に「街灯の下にたたずむ影」といった描写があって、彼女のことを娼婦と解することも出来そうな箇所もあることはあるのです。

 日本では加藤登紀子さんが歌われた日本語詞バージョンが有名なんですが…
 この日本語詞の内容は原曲とは、まったく別のものになっています。はっきり言ってしまえば、そこに描かれているリリーマルレーンは、マレーネ・ディートリッヒがスクリーンの中で演じた役柄のイメージそのままです(ディートリッヒが映画の中でリリーマルレーンを演じたという意味ではありませんよ)。
 つまりディートリッヒが、出演した作品の中で演じた印象的な役柄というのは酒場の踊り子、夜の蝶、娼婦といったもので、彼女自身、いつも「妖艶」という形容詞で語られる女優だったということを指摘したいのです。

 md_20111108171820.jpg
      ディートリッヒの出世作というべき「嘆きの天使」より

 「リリーマルレーン」の中で描かれた女性のイメージは、そこに、この曲を歌っていたマレーネ・ディートリッヒ自身(が演じていた役柄)のイメージが重ねられ、そしてディートリッヒのイメージが、あまりに強烈だったために、この曲が「娼婦と兵士の物語」であるというふうに誤解されたのではないか、というのが別府の推論なのです(えへん、えへん)。
 違ってるかなー

 リリーマルレーンという名の恋人は、兵舎の門の近くの街灯の下に佇んでいました。
 いつ戦場に送られて、2度と会えなくなるかも分からない恋人だからこそ、今日ひと目だけでも会いたい、それが叶わないなら、少しでも恋人の近くにわが身を置きたいと、中にいる恋人を思い続けて、日がすっかり暮れ落ちるまで、兵舎の前に佇み続けた女性、それがリリーマルレーンです。
 そしてそんな彼女と「もう1度会いたい」と願っている彼は、今まさに荒野の中で敵の銃弾に傷つき、薄れゆく意識の中で、彼女のもとに最後の思いを馳せているのです。

 別府は、こんなふうに理解して、この曲を歌っています。
 どうぞ聴いてください。




 
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# |  | 2011/11/09 01:48 * edit *

こんにちは

「リリーマルレーン」良い曲、素晴らしい声、感じ入って何度もききました。
今度の東京公演では是非この曲と「百万本の薔薇」をプログラムに加えて欲しいです。
何て勝手なことを言っています。

話変わりますが、別府さんは高松市生まれだったのですね。
金太郎も幼年期の3年間、高松市に住んでいました。
確か「屋島」という地名を多く聞いていた記憶があります。
当時、進駐軍の兵隊さんにチョコレートやガムをもらっていました。
両親はすでに亡く確認のしようもありませんが栗林公園や金比羅様での記念写真写真がわずかな思い出です。
確か当時すでにデパートがあったと思います。

金太郎 #04EdzWMo | URL | 2011/11/09 10:56 * edit *

リリーマルレーン?

別府さん 今日は。

楽曲「リリーマルレーン」初めて聞きました。
悲しい恋ですね、当時の若者の多くが戦争と言う愚かな戦いに(現在も有りますが)
引き裂かれた事でしょう。

曲「リリーマルレーン」最後の弾むリズムに悲しいけれど晴れやかに聴き入っていました、
悲しい曲を良い曲と言うのは如何とも思いますが、良い曲ですね。

初めて聞いた楽曲「リリーマルレーン」有り難う御座いました(^^vvv♪

天の人 #5eFz6IF2 | URL | 2011/11/09 15:54 * edit *

リリーマルレーンを聴かせて頂いて!!

忘れていた実に懐かしい曲聴かせて頂きました、そして記憶が蘇って来ました!

昭和19年同盟国であったドイツが破れるまで

現NHKのドイツ放送の際のテーマー曲でした。

ドイツに似合わず物哀しい曲でしたが、

確かオーケストラの演奏だったように思います。

戦後淡谷のり子さんや他のシャンソン歌手も歌っておられやっと歌の内容が

理解できました。

何年か経ちある曲集に収録されているのを見つけ、

その当時の歌声サークルで皆さんと歌っていました。

私と同年代の方はご存知の方が多いと思います。

日本人の好む曲ですね!!


シルバーSWING #- | URL | 2011/11/09 17:02 * edit *

はじめまして

別府葉子様
はじめまして。ST Rockerと申します。
イルカさんからご紹介いただき、先日ブログとウェブを拝見しました。
また、時々素晴らしいお歌を聴かせていただいています。
また、先日は私のブログへもおいでいただきありがとうございました。
別府さんは以前ロックもやられていたのですね。
大変素晴らしい音楽の中にもどこか親しみやすいものを感じます。
私も一応、音楽やってます。また政治のこともいろいろ書いています。
また遊びに来てください。
では、ますますのご活躍をお祈りします。
ST Rocker



ST Rocker #GK7sQxxU | URL | 2011/11/10 00:18 * edit *

訪問ありがとうございます!

いつも楽しく拝見させていただいています。

まだブログの機能に慣れていないので、リンクするというボタンを押してしまったのですが

リンクに加えさせていただいてもよろしいでしょうか?
勝手なお願いですが、よろしくお願いします。

アストレイア #Fxp7AOH2 | URL | 2011/11/18 22:23 * edit *

NoTitle

こんにちは 葉子さん。

「リリーマルレーン」外国語の歌詞を日本語に」そのまま訳すと、違和感があり曲調も違った物になるのでしょうか?

葉子さんの歌う「リリーマルレーン」は、他の日本人歌手よりも最高に聴き心ちが一番です。
「リリーマルレーン」ありがとうございました\(^^@)/♪、

saran1ify/天の人 #5eFz6IF2 | URL | 2012/09/24 16:59 * edit *

Re: saran1ify/天の人 さんへ

こんばんは。

この「リリーマルレーヌ」は別府の日本語訳を付けましたが、別府が歌っている曲のイメージは限りなく、原曲のイメージに近づけたつもりです。

結果的に日本で歌われているリリマルレーンとは、かなり異なるものとはなっていると思いますが、それがお気に召していただけたのなら何よりです。

ありがとうございました。

別府葉子 #- | URL | 2012/09/24 21:58 * edit *

別府葉子さんへ!!

戦時中、うどんは代用食でしたので食傷気味になり、そばが好きですが、さぬきうどんの味はまた、格別です。特に、関西の薄味の汁で食べるうどんは最高です。
本道でも人気沸騰中です。!

荒野鷹虎 #- | URL | 2012/09/25 16:09 * edit *

Re: 荒野鷹虎 さんへ

代用食だったんですかー

う~ん、すごい話ですね。

でも、今たべるさぬきうどんはお気に召していただけているみたいで嬉しいです。

なんといってもソウルフードですから(笑)

別府葉子 #- | URL | 2012/10/02 23:05 * edit *

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