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夢の中の色合い 「異人たちとの夏」 

 「異人たちとの夏」
 別府は、これまで大林信彦監督の、この有名な映画作品を観る機会がありませんでした。
 数日前、古い資料の整理をしていて、偶然この作品のVHS録画を発見しました。録ってあったんだぁ…

 いろいろな映画評論なんかで、何度か読んだことがあって、ネタバレを含めて、おおよその内容は知ってたんですけど、実際に作品を観てみると…
 最高でしたね。

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 主人公が浅草の演芸場で、子供のころ死に別れた父親とそっくりな男を見かけるシーンから、一気に物語世界に引き込まれたまま、ポロポロ泣きながら過ごした1時間半でした。
 次の日の夜にも、また観かえしたりして、お気に入りのシーンを再生、また再生でした。

 以下、ネタバレありですが、よろしかったら追記にて、続きをお読みください。
 観かえすうちに、いろいろ気づくこともありました。
 主人公が「2人」と出会うシークエンスは全部で5回。それぞれにとても印象的なシーンがあります。

 1回目の出会い
 亡くなった父親そっくりな男に誘われるままに、男のアパートについて行った主人公は、アパートにいた男の連れ合いが、父親と一緒に亡くなった母親にそっくりなことに茫然とします。
 女性がドアから一瞬、姿を見せて「どうぞ」と声をかけるシーンです。
 そのとき女性を包んでいるセピアがかったオレンジ色の燈火の温かさ…
 子供のころ、日が暮れて遊び疲れて帰ってきたときに、家の台所の窓からもれていた、あの灯りの色合いです。そして、この色合いのイメージは、全編を通じて、主人公と2人の出会いのシーンに共通して描かれています。

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 2回目の出会いのシークエンスで、主人公が出会うのは母親そっくりの女性だけです。そして別れ際に主人公は、どうしても確かめたかったことを知るために、さり気なさを装って、女性に苗字を尋ねます。
 「暑いからぼけたんじゃないの?親の苗字聞く子供がどこにいるのさ」
 驚愕と混乱、そこにないまぜになった、やっぱりそうだったのかという奇妙な安堵感、やがてこみ上げてくる懐かしい喜び…

 その後にくる3回目の出会いでの、主人公と父親とのキャッチボールのシーンのなんと甘く切ないことか。
 ここですぐに思い出したのが、名作「フィールド・オブ・ドリームス」の中での父と子のキャッチボールシーンです。こちらも心が震えるような名シーンでしたけど、ご存じでしたか?「異人たちの夏」って1988年の作品で、「フィールド・オブ・ドリームス」の公開より1年早いんですよね。うふふ(別に自分が作ったわけでもないのに、自慢げな別府)。

 そして4回目の出会い
 しのびよる別れのとき
 哀しみの予感
 このシークエンスの冒頭、一人で花火をしている秋吉久美子さんのアップの表情がすべてを物語っています。

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 そして最後の出会い
 …

 「何にもいうな、もう何にもいうな」
 「あんたをね、自慢に思っているよ」

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 もし亡くなった父が「お前は自慢の娘だよ」と言いながら、頭を撫ぜてくれたらと想像するだけで、大声で泣きたいような気持になります…


 
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この記事に対するコメント

NoTitle

私、これ観たことあります~♪実に切ない映画ですよね。

nakky #- | URL | 2011/08/11 20:19 * edit *

私も泣いた・・・です

私も何回も見ました。
たぶん、公開されたころです。かなり昔・・・具体的に何時か思い出せないけど。TVで放映されたのをビデオにとって何回も見ました。とても切なかったのを覚えています。へたくそな字でタイトルが書かれたビデオテープは今も手元に残っているけど、機械がとうの昔になくなっているというのもなんだか切ないけど・・・

Taka #- | URL | 2011/08/11 20:56 * edit *

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