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宇宙戦争の謎 つづき 

 前回の記事で「つづく」としたまま随分経ってしまいました。
 2005年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督作品「宇宙戦争」“War of the Worlds”と1965年に日本で発売された児童向けのSF小説「宇宙戦争」、この2つのイメージ画像がそっくりなのは何故か?というお話のつづきです。

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 この話の謎を深めているのは、映画「宇宙戦争」2005年版の原作はSF小説の古典と言われるH・G・ウェルズの「宇宙戦争」なのですが、上の小説「宇宙戦争」(1965年)はR・A・ハインラインという人の作品で、要するに全然別の話だというところです。

 じゃあ、両者が共通しているイメージ画は、どちらのお話に忠実かと言いますと…
 イメージ画の背景に描かれている禍々しい雰囲気の宇宙船のようなもの、これは明らかにH・G・ウェルズの「宇宙戦争」のイメージです。
 下はH・G・ウェルズ自身が作成に関与したと言われる小説「宇宙戦争」のイメージイラストです。

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 つまり、この宇宙船のごときもののイメージは、2つの「宇宙戦争」のイメージ画に共通だけど、そのルーツはH・G・ウェルズの「宇宙戦争」なのです。
 じゃあ、スピルバーグ監督の「宇宙戦争」ポスター画が、H・G・ウェルズの「宇宙戦争」のイメージを忠実に再現しているかというと、やっぱり違う。
 なぜなら原作H・G・ウェルズの「宇宙戦争」の主要な登場人物に少女なんかいないからです(スピルバーグの映画には、幼い少女が登場するのですが、あくまで映画版のオリジナルキャラクターなのです)。
 少女が登場しないH・G・ウェルズの「宇宙戦争」日本語版の表紙は、こんな感じです。

 DSC_6106.jpg

 2つの「宇宙戦争」のイメージ画から人物2人を消しちゃったみたいですよね。

 じゃあ、R・A・ハインラインの「宇宙戦争」の内容が、その表紙イメージと、どのくらい違うかというと…
 ぜんぜん違います(1mmも合ってない)。
 H・G・ウェルズの「宇宙戦争」が火星人による地球侵略というお話なのに対して、R・A・ハインラインの「宇宙戦争」は、太陽系の他の惑星に人類がたくさん移住しているという時代に起こる金星の地球連盟からの独立戦争というお話なのです。
 そして幼い少女は… 出てきません。

    pose_nigawarai_woman.jpg

 そこでこういう仮説が出てくるわけです。
 1965年出版のR・A・ハインラインの小説「宇宙戦争」の表紙絵は、実は、40年後に作られる映画を(無意識のうちに)予測して描かれたのではないか?
 言い過ぎですよね。偶然でしょう。
 むしろ表紙絵を描いたイラストレーターは、小説の内容とは無関係にイメージ画を描かれたと考えるのが常識的ですよね。

 1965年のR・A・ハインラインの小説「宇宙戦争」の表紙絵を描いたのは 依光 隆という方みたいですが、その方は別の小説の表紙絵でも、まったく同じポーズの少女を抱きかかえる男性を描いています。
 「宇宙戦争」という題名が喚起するイメージとして「救われる少女」の像があったのでしょうね…

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 ただ別府としては、最後にこんな仮説を唱えたいのです。
 親日家として知られるスティーヴン・スピルバーグ監督、実は1965年日本版ハインライン「宇宙戦争」を遠い昔に目にしたことがあったのかも…

    book_hirameki_keihatsu_woma.jpg

 ないと思うけど(笑)



 
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