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別府の考え ~ シャンソンとは ~ その11 

 「愛の讃歌」
 1番有名なシャンソンかもしれません。
 伝説的なフランス人歌手エディット・ピアフの代表曲ですね。

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 日本では、越路吹雪さんが歌った大ヒット曲として、ひろく知られています。
 また今、日本で、この曲を歌う歌手ということなら、美輪明宏さんの名前が出てくるでしょう。

 そして越路吹雪さんは、この曲を、岩谷時子さんがつけた、原曲の歌詞とは内容が異なる日本語詞で歌いました。
 他方、美輪明宏さんは、曲の冒頭に、原曲の歌詞の訳詞を、台詞のように独白した後、フランス語で歌うスタイルをとっています。

 日本で、この曲を歌おうとすると、方法としては、この2つのどちらかしかないはずだ、というのが別府の考えです。
 つまり原曲のイメージを再現しようとすると、日本語の訳詞をつけて歌うことが出来ない曲だと思うのです。

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 ちなみに原曲の歌詞の内容というのは…
   あなたが愛してくれるなら何もいらない
   あなたが望むなら何でもする
   あなたが死んだって構わない
   私も死ねば、神様が2人を永遠に結び付けてくださるから
 という何と言えばいいのか、非日常の極致のような内容です。

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 恋人が死んでも構わないと言い放つ発想は日本人には無いように思います。
 「死んで、あの世で一緒になりましょう」という心中ものの文化はありますが、この歌で歌われているものが、心中ものの世界観と同じだと言い切るには、ためらいを覚えます。
 まして、これほどの激情的な思いを、声高に述べるという行為には、それ自体、日本人の美意識とマッチしないものを覚えます。

 そういうことも係わるのだと思います。この歌詞の内容を日本語にしてしまうと何かしら非現実的な感覚が伴うのです。
 この歌詞の内容が切々と訴える激情は、この曲に、何ともいえない緊張感をもたらしています。そして非日常のもたらす、この危うい緊張感を、原曲のフランス語歌詞は、ギリギリで、そのバランスを保ちながら、歌の世界として成立させているように感じられるのです。

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 だから原曲のイメージを再現する方法は2つ…
 歌詞の内容を変えて日本語詞をつけ、その日本語詞の内容のイメージを原曲の歌詞内容と共通のものとするか、
 フランス語で歌いつつ、歌詞の内容を聴き手にイメージしてもらえる工夫をする。

 前者が越路吹雪さんで、後者が美輪明宏さんだと思います。
 原曲の再現を、より忠実な方法で実現したい別府は、後者を選択しております。
 訳詞は別府です。

 

 愛の讃歌を作り、歌った後、本当に恋人のマルセル・セルダンを飛行機事故で失ってしまったピアフが、それでもなお歌い続けたことで、この曲は、世界中の人々に忘れられない、さらに強烈なインパクトを残したのでしょう。

 (次回このシリーズ、とりあえずお休みです。なぜって、それは…)


 
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