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別府の考え ~ シャンソンとは ~ その10 

 前回記事では、「曲の持つイメージを、ありのままに再現する」って、何をどうするの、というお話をしました。
 でも論より証拠です。
 今回は、別府は、こんな風にやりました、というところを実際の動画で、観て聴いていただきたいと思います。

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 「ガレリアン」“Le galérien”という曲があります。
 ガレリアンというのは、ガレー船漕ぎのこと、その昔、囚人を鎖につないで、ガレー船を漕がせるという過酷な刑罰があったそうで、この曲は、そういった刑罰を受けた囚人のお話です。
 内容に照らしてでしょう、この曲、日本では「囚人の歌」という曲名でも知られています。

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 もっとも、この「囚人の歌」という曲名をご存じの方は、かなり年配の方が多くて、大抵は、むかし歌声喫茶で、この曲を歌ったという経験のある方だったりします。
 「歌声喫茶」というのは、お客さんたちが皆で歌を合唱したりする喫茶店?でして、昭和30年代から40年代(1955年ころ~1970年過ぎころ)にかけて巷に流行したそうです。

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 ただ言いにくいことをハッキリ言ってしまいますと…
 この時代に、歌声喫茶で歌われていたものを、現在残っている音源などで聴く限り、この曲、正直つまらない曲です。
 単調な節回しを、メリハリもつけず、延々と繰り返して歌っていて、一言でいえば「退屈」です。

 ただ、ここで「つまらない」と言っているのは、聴かせる曲としてみた場合という意味です。
 逆に、歌う側に立つと、この曲、実に楽しそうなのです。
 単調ということは、誰にでも歌いやすいということにもつながります。皆が一緒になって、繰り返し繰り返し同じ旋律を歌ううちに、気分はどんどん高揚し、いやがおうにも高まる熱気と連帯感!といったところです。
 つまらない、というのは、お客様に聴かせるためにステージに出すことが出来ない、歌として、売り物(商品)にはならないという意味ですね。

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 でも別府は「ガレリアン」を歌っています。
 なぜでしょう?

 以前、教室の生徒さんが、別府に言ったことがありました。
 「あの歌、歌いたいけど、センセの歌いよるん、アレンジがきついから、よう歌わんわ。むかし歌声喫茶で歌いよったみたいに歌いたいんじゃわ」

 う~ん、それ、ちょっと勘違いされてますよ。
 この曲、ルーツはロシアの民謡なんですが、これが採譜され、フランス語詞がつけられて発表されたのが1947年。
 何人かの歌手が歌ったようですが、若き日のイブ・モンタンが、この歌を大ヒットさせてスターの座に駆け上ったのが1951年です。
 日本で1955年頃から流行りはじめた歌声喫茶で歌われた曲というのは、時間経過に照らせば、このイブ・モンタンの歌ったバージョンがもとになっていたと考えるのが自然です。

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 そして別府が歌っているバージョン、実は、そのイブ・モンタンのアレンジ、ほとんどそのままなのです。
 おそらく日本に入ってきた、この曲は、歌声喫茶で歌われる中で、皆が楽しく歌えるように、誰もが歌いやすい形に変容していったのでしょう。
 ですから変わってしまっていたのは歌声喫茶バージョンの方でして…
 別府は、ただ、この歌の往年の姿を復活させただけです。

 オリジナルバージョンは、ドラマチックで刺激的、心に迫る名曲です。
 半世紀以上のときを経てオリジナルの姿で甦った、この曲が、どう変貌したかは、観て、聴いて、お確かめくださいませ。
 訳詩は別府です。

 

 (つづく)


 
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