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佐々木三冬 この名前だけでピンとくるとは通ですね 

 「岩田勘介殿。この私の声に、聞きおぼえはありませぬか?」
 襖の向うで、岩田が息をのんだ。
 「まだ忘れはすまい。いまは人の妻となりましたが、以前の名は佐々木三冬」
 岩田は、こたえぬ。

 池波正太郎さんの名作「剣客商売」シリーズの中の短編「その日の三冬」の中の一節です。
 このシリーズ小説は、何度かテレビ化もされたようで、今もCS放送では、1番新しい藤田まことさん主演のシリーズが、よく放送されています。そちらをご存じだという方もいらっしゃるかと…

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 もう亡くなられてしまいましたが、藤田まことさんが、別府、大好きでして、ほら、必殺シリーズとか…
 というわけで、藤田さんの剣客商売もときどき見たりするんですよね。

 でもテレビ版は、イメージが具体的にヴィジュアル化されている分、想像力の範囲が限定されてしまうところがあるように思います。
 それが無いのが小説版の良さですよね。
 背筋がスッと伸びるような、ちょっと重しの利いた文章、切れのある短い文の積み重ねが、場面場面の雰囲気を濃厚に伝えて、登場人物の息遣いまで感じられるようです。

 小説世界の中に引きずりこまれて、その中にしばし身をひたすことは、実は絶好のストレス解消法なのです。
 最近、結構ストレスたまってるんですよね(ぶつぶつ)

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 身分の低い武家の家に生まれ、周囲から容姿の醜さをあざ笑われながら育った岩田勘介にとって、ただ1つの心の拠り所は、人に秀でた剣の腕前でした。江戸の名流、井関道場に通いますが、その腕前を発揮すればするほどに、逆に周囲からは疎まれてしまいます。そんな岩田をただ1人ひいきにして、道場で稽古をつけてやるのは、男装の美少女にして井関四天王の1人と呼ばれる女性剣士・佐々木三冬。しかしある日、岩田は事件を起こして主家を出奔します。それから数年、2人が再び巡り合ったとき…

 ラストシーンのじょうじょうたる余韻の中、涙にかすんだ目で最後の1行を読み終えたとき、心が何かに充たされたように感じます。哀しすぎる物語なのですが。

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