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お気に入りの HERMES 

 先日お出かけする用事があったので、ふと思いついてスカーフを襟元にあしらってみました。
 別府はブランド物をあまり持っていないのですが(主として経済的理由により)、これは数少ないブランド物の1つ、HERMESのスカーフ、別府のお気に入りです。
 ずっと以前に、フランスで、このスカーフを買ったときのことを思い出したりしてみました。

  MC900412008.jpg

 それは別府が20歳を少し過ぎた頃のことでした。
 フランスから、もうじき日本に帰るという、ある日、別府は知人のフランス人マダムに尋ねました。
 「エルメスのスカーフを買いたいのですが、どこに行けばいいでしょうか?」
 いぶかしげな表情を浮かべている彼女に、別府はエルメスのスカーフを購入する目的を説明してから、日本で働いて貯めたお金があるんですと言い足しました。
 得心したように頷いた彼女は、お店の場所を丁寧に教えてくれると最後に、こう言いました。
 「葉子、その服で行ってはダメよ。ジャケットを着て行きなさい」

 マダムのアドバイスに従って一張羅のジャケットを着こんで、お店を訪れた別府の表情は、少し緊張してこわばっていたかも。

  MC900440641.jpg

 別府を迎えた落ち着いた雰囲気の女性の店員さんは、私より20歳ほども年上に見えました。

  スカーフが欲しいのですが…

 「贈り物ですか」と応じながら彼女が示した態度は冷淡そのものに感じられました。
 ブランド物を買いあさることが大好きな年端もいかない日本人娘に見えたのでしょうか…

  母へのフランスのお土産にしたいのです。

 「お母様はどんな方なの?」

  私とよく似ています。同じ肌の色で、髪の色も、目の色も私と同じです。

 「これはスタンダードなデザインで、とても人気のあるものよ」などと言いながら、いくつかのスカーフを見せてくれる彼女の親しみのこもった笑顔は、最初の印象とはまるで別人で、その表情の変化は劇的と言ってもよいほどのものでした。

 彼女のアドバイスにしたがって選んだスカーフのプレゼントを、母は大変よろこんでくれました。
 実際とても気に入ってくれたようでした。葉子にもろうたヤツやで、なんて言いながら、よく使ってくれていましたから。

 4年ほど前、別府が高松から大阪に移ることになったとき、母は、私より葉子の方がよう似合うようになったんとちがう、と笑いながら、このスカーフを私の荷物の中に入れてくれました。

 DSCN0820.jpg

 別府は、鏡の前に立って、スカーフを巻いた自分に向かって呟いてみました。

 私とよく似ています。同じ肌の色で、髪の色も、目の色も私と同じです。



 
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